生理は本人の意思で止められない。
だから、「社会の手」が必要だ。

生理は始まるタイミングも終わるタイミングも、本人が100%の精度で把握することができません。
アプリがあっても、生活の変化やストレスに影響されやすく、予定とずれることも多くあります。
また、生理の出方もわかりません。

活動の初期、生理の悩みの大きさに気づき、過去の研究や論文を検索するも、生理についての記事はほとんどありませんでした。これだけ大きな問題なのに、研究もされていないのです。2020年に生理管理アプリ企業が生理について発表したデータは、40年ぶりに生理についてアップデートされた記事となりました。

つまりは40年間新しい発見がないくらい、研究されていない分野だということです。

生理がある人たちは、体調・ストレス・妊娠出産などにより生理の状況がかわりますが、これらについてもほとんど研究されていません。ビジネス化されていないだけではなく、研究さえされていない。研究をされていないということは課題と思われていない。生理は社会の中でないもののように扱われている。

だけど、ないもののように扱った結果、他国に遅れること100年間、生理用品専用の設置設備はありませんでした。

だから、今わたしたちが解決しないと、現代の悩んでいる人だけが我慢すればいいだけではなく
次の100年生きる女子たちのためにもならないのです。

生理は、こどもの時、大変なだけではありません。
生理が出るかもしれない時、体調の変化から「今日からはじまりそう」とわかる方もいます。
でも、体調に変化がなく、はじまるタイミングがわからない方もいます。
生理は個人差が大きく、生理がある人同士で分かり合えるようで、分かり合えないのです。

そして、多くの人が、「大人になっても生理に対処できない」と言います。

「自分のことなのに、”わからない”。そして、”わからない”ことそのものも言いづらい」と言うのです。

そこで、わたしたちは、まずは海外の事例と同じように、
みんなで過ごす場に生理用品を置いてみるという一歩を踏み出すことを提案しています。

生理用品の設置だったら、世界各地に事例があるので、参考にすることができます。
そして、これをきっかけとして、今後の未来のオフィスや、言いづらい悩みをどうみんなで分かち合い、解いていけるかを考えるきっかけにできるとよいのではないかと思っています。

生理のように無意識に出てしまう排泄がない方には、大人になって”わからない”排泄があること自体がイメージつかないのではないかと思います。

子どもの時、学校や家庭など身の回りの人で生理の話をしてくれなかった場合、
ずっと知ることがなかったという方も多いと思います。

でも、今、生理がある人もない人も、ともに協力して新しい未来をつくりませんか。

プロジェクトリーダー

2017年に日本ロレアルの「IoT x Beauty Hackathon」で優勝したことをきっかけにものづくりに興味を持つ。その後、広告代理店に勤めつつ、新規事業コンペで、生理用品のIoTボックス+サブスクを起案するが、医薬部外品である生理用品の取り扱いの難しさ、収益の低さなどが理由で、最終審査にて落選。

しかし、当時調査したデータに衝撃を覚え、ビジネスの中では取り残されてしまうとしても、取り組んでいかなければいけないことと考え、現在の活動に至る。

現在は、広告代理店との二足の草鞋を履き続けながら、さまざまな人と協力し、目的達成のため日々努力中。

30年前、駅のトイレにはトイレットペーパーがありませんでした。
今では駅のトイレでもトイレットペーパーは当たり前に設置されるようになりました。

わたしたちは、30年後の女子たちが、今のトイレのトイレットペーパーのように当たり前に生理用品を使える社会を目指して活動しています。